salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 新作映画 HuuA

山スキーで日本中の山々を独り滑ってきて、フライフィッシングで日本中の山々を釣り巡り、やがて九州山地の祝子川にフォーカスされていき、その水の写真集を添えたCD「祝子」(ほうり)に結実し、さらに祝子川をメインに水だけの映画「ホフネン」(40分)を作ったのが2012年。
すべては流れのままに、楽しく思いのまま導かれるように。映画の知識も作り方も何も知らずカメラもないところから出発した映画制作だった。
技術はなくともファインダーにはいつも思いがけない光景が映し出されていた。素直に、意図せず、感謝の気持ちでいればいいことを学んだ。
初映画「ホフネン」はハンガリーイラクの映画祭に入選した。
https://www.youtube.com/watch?v=75gPOQzvGl8



2作目「ハルリ」(25分)は2014年に完成。
家の裏にある霊山と本宮山と障子岳(宇曽岳)に囲まれた小さな自称ハルリ池(大分県民の森)を撮り続けた。
そしてイタリア、コロンビア、インド、韓国、タイの映画祭に入選。
そこは大分市民県民の公園なのだけど、だれも見たことのない多くの光景の記録でもあると自負している。
そういえば祝子の映像も、撮影後に大型台風によって渓谷が破壊されたので貴重な記録なんだけど、風景描写ではないからなあ。
https://www.youtube.com/watch?v=MnstbTnLVfM&feature=youtu.be


そしてやっと2017年5月1日、3作目「フウア」(HuuA, 25分)が完成した。やはり水のみの映像。
ホフネン制作中に父が他界したので父に、本作制作中に母が他界したので母に、其々捧げた。
ホフネンは問題提起的作品で、ハルリは合一と祭。今回のテーマは循環。
なんとなく3部作になっていて、テーマの変遷はそのまま自分の成長なのかもしれない。
3作とも水の精が水を通して宇宙を映し出している「水の抒情詩」で、その解釈は各々に委ねたい。


気がつけば祝子はホオリノミコトに縁のある土地で、霊山一帯はウガヤフキアエズに縁の深い所らしい。だとすれば、ホオリノミコトの御子の土地に導かれていたことになる。
「フウア」は祝子川、ハルリ池に海を加え、山から海、そしてまた山へと鮭(サルモサックス)のように循環を描いていて、その海の撮影地は出雲、鵜戸神宮、佐賀関、座間味、奈多神宮、カナダヴィクトリアなのだけど、鵜戸神宮ウガヤフキアエズをお祀りし、佐賀関や奈多はその御子の神武天皇に所縁がある。
そういえば今年と2年前に鹿児島で演奏会に招かれた際に、2回とも自分の意思に反してナビに霧島神宮に連れていかれたのだが、そこの祭神はウガヤフキアエズの父のニニギノミコトで、そうすると四代に亘るご縁があることになる。こじつけによる見解だけど個人的におもしろがっている。

公開はまだ未定だけど、多くの人に観ていただきたい。



・山内 桂(監督、音楽、サックス、撮影)
・関 祥子(水の精)
・安田敦美(ボーカル)
・サガイン(山内桂/サックス、ヒュー/ギター、米増博俊/ベース)


(HP・映画)
http://salmosax.com/cnm.html