salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 アジア最終章・ハノイ公演

帰国前夜の3/18に上映と演奏を依頼していたハノイの主催者から返信はなく、フエ滞在中にたまたま来ていて知り合ったGiangにその事情を話して依頼、交渉を継続していた。
彼女はアーティストで、ハノイでアートスペース ”Six Space” を運営。
最終OK後の準備期間は10日間程だったのに、フタを開けると若い女性を中心に若者が大勢来てくれ、しかも今回も主催者の知らない人たちが多かったらしい。フエもそうだったし、サイゴンのSao Laもそうだった。日本ではもうこんなことは期待できない。
ベトナム戦争のせいで若者の人口比が高いとは聞いていた。でも絶対数の問題なので、あちらの若者が元気で好奇心があるとみるべきだろう。あるいは、日本では大人が若者の自由を抑えているか。
ところでぼくなどはベトナムと言えばベトナム戦争なのだが、若者たちにその影はない。日本は同じ位の戦後期、まだまだ尾を引いていた。彼らは戦勝国だからだろうか?


プログラムは「ハルリ上映+40分ソロ演奏+トーク」の3本立て。
広いスペースで心地よく音が響くのだが、天井が広さの割に高くはないせいか、音が遠くで鳴っているような不思議な感覚だった。私的な旅のあとゆえに演奏内容は良かったと思う。それに最後の演奏、最後の夜なのだ。人には解らないような、でも確かに何かが変わった演奏だった。アゴによる支障もなかった。
終演後、Giangの英語と彼女が用意した日本語通訳のベトナム語とぼくの片言英語を、みんな真面目に聞いて質疑応答もあり、充実した時間が流れた。


だれもツテのないところから準備と交渉を始め、最初は出演料も無理と言われ、でもこうしていくつも演奏して(儲かってはないけど)歓迎され大勢の観客も得てベトナムツアーが成就した。とても嬉しい。感謝。
それにしてもベトナム人はシャイながら、一方でかなりアグレッシブだった。しばらく日本の大分の地で心身を鎮めよう。