salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

フヅキ

先日誕生日を迎えた。
2015年の誕生日に生まれた曲「フヅキ」(ふみづき、七月)だけど、またもや変な挑戦をしたのだった。とりあえずはめでたいのに、出てきたフレーズはマイナー(短調)。でもなぜかこれはポジティブなんだと強行突破しようと現場演奏した。ついでにリズムも壊しながら。

以前から不思議だったのは、世界の民謡、殊に日本のそれを古老が歌うのを聴くと随分とマイナーなのだ。もちろん西洋音階に当てはまらないのだけどとにかく暗い。それはたまたま歌が下手なのか。西洋音階を知る以前の感覚を知りたかった(自分の即興演奏はそんな手探りも含んでいるのかもしれない)。
また現代歌謡や歌謡曲や童謡でも楽しい歌詞をマイナーで作られた曲は散見される。
更には和歌にも突き当たる。そうなると文学の世界にも越境するのだが、心の吐露の微細な表現を西洋音階にはめこむ無謀さも見えてくるし、そもそも日本に音階の概念もなかったように思える。
その意味でも思うのは、メジャー(長調)はこの世にあるスケール(音階)の中で特殊なものではないかと。

気分がどうしても挑戦する曲、そしていまだに答えを求めながら演奏する曲を聴いてください。最新CD「モリ」にも収録しています。どう聴こえるかしら。

https://www.youtube.com/watch?v=fpQq48ceifI

カツラの木(自分で山に植えた)