salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

音楽観

西洋音楽の三要素は「メロディ」「ハーモニー」「リズム」。その音は倍音などを減らして作った12音の「楽音」が前提。音楽や数学は宇宙の究明として発展してきたのだけど、多分平均率により楽音間の音程(ピッチ)を均等にして数値が割り切れないことで破綻。
実はひとつの音の中にも三要素はあると思う。1音の中で周波数や倍音がぶつかり合い重なり合いメロディやリズムや和音が生まれる。でもその音を聴く耳を失わされた現代。

ぼくはエネルギーを加えた音楽の四要素を考えてきたがどうだろう。
振動・波動が宇宙を創っている大元でありエネルギーであり、そのひとつの表れが音、そして音楽。
それら「要素」以外に日本では「間」が重要であり、それは無音なだけでなくリズムだとも思うのだけど、「間」の無音はエネルギーに満ちていて無音ではないとさえ思っている。
また時空につながった身体が発する音は均一でなく、均一志向性は人間の可能性を制約する意図があると思っている。

二十歳の頃即興演奏に目覚めたのは反社会性がきっかけのひとつだったけれど、宇宙の探究への道筋だったからだろう。
そして音楽、単独山岳スキー、渓流釣りは、娯楽と共に常に冒険で探究だった。

最近周波数偏重の音楽もあるけど、楽音以外のすべての音を使って、自分の魂や精神やなによりも身体を通した音=直感と感性と波動(エネルギー)で宇宙につながる演奏を目指してきたんだと自覚してきている。
そうしてサックスの即興演奏では混沌の中の調和を観る音世界を楽しんでいる。そして更にそんな音楽観の上で三要素も「一要素」として取り込んで音作りをしている。