salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

カテゴライズ

ぼくはなぜか自分であることにこだわってきて、即興を中心に閃いた音などを表現してきた。もはや個性を求めるのでもなく、正直であることによって繋がる音世界を求めて。当然それはカテゴライズされず、ジャンル分けもできない自分の表現を説明できずモゴモゴする。それでも興味を持ってくれる人は尊い

この世界は形が優位に立っており、内容より説明が重要のようだ。人は知らないものに怖れを持つらしく、新しいものを拒んでしまうようだ。でも実は知らないのではなく、この世界の価値観や洗脳によって拒絶しているか忘れていて心に蓋をしているのではないか。だとすれば必要なのは好奇心か勇気か。愛も優しさも勇気がなければ発動しない。
ぼくは人の最深部に原体験の記憶があると信じていて、波動としての音をそこに届ける。

目に見えないものがこの宇宙の大部分を占めているのなら、その意味でも形至上主義の時代は終わらねばならない。ものごと、できごとに名前を与えることで抜け落ちる大事なものを感じ味わいたい。それが今という現実を生きること。
ことばの力が語られる昨今だけど、それ自体がうわすべりしていないか。言霊もカテゴリーではないはずだ。
ぼくの場合はなぜかことばや文字から距離をとって音霊に軸足を置いてきた。左脳への悪影響を感じたのか、単に音楽が合っていただけなのか。

カテゴリーやジャンルで捉えられない音楽をやっているひとりとして、自分が音楽家なのかいまだに自問しながら、地方小都市大分に住み続けてそんなチャレンジや探検を40年以上続けてきた。その音を聴いて欲しい。

 

21歳頃(松山)

フリージャズトリオ「HOY」

中央は故井上敬三氏(1975年?フリージャズから即興演奏に移行中)