salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 わからない

「わからない」
最近分かってきたのは宇宙のことはわからないということ。それは答えはない、あるいは答えに意味はなく、その答えを求める「行為」が大事ということ。


ぼくは40年以上即興演奏を中心に形のない音楽で答えを探してきた。そうして最近割と形のある音楽もやっていて、そのひとつがサガイン。
音の探求ということでは同じことを続けているのだけど、人に対する優しさの表現をひとつ増やした感じで、オリジナル曲をバンド形式で、より素直に演奏したいと思っている。もちろんそうしたら得という計算ではない。自分がやっとここまで来たということでもあるし、「サルモワールド」の広がりの結果でもある。そして多分「わかりやすい」音楽でもある。


そんなサガインの音楽でも「わからない」人はいる。いわく、いろんなパターンや速さやの曲を増やしジャズスタンダードも入れたらいいと。でもそうすれば多分更に2、3曲要求するだろう。そして次にはみんなの知ってる曲を要求するだろう。際限はない。つまり出来事を判じたいだけで、音は聴いてないのでは? 音を感じることを忘れているのでは?
「わかる」ってなに?


音に誠実でありたいと、正直に音を出すことに努めてきた。そして自分にしか経験できないことの積み重ねで今の音楽があり、それは自分にも人にも宝なのかもしれない。そんなことを音から感じて欲しい。


そうでない人たちのことは、考えなくていい、のかな。