salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 インタビュー3

【楽器 サックスについて】


Q1. 演奏に使われているサックスについて教えてください。


ソプラニーノ、ソプラノ、アルト、バリトンセルマー。C管ソプラノがブッシャー。
普段はソプラニーノとアルトが基本です。前者はコンセプト(曲)をストレートに吹くことが多く、後者は即興中心です。
C管ソプラノでは優しい演奏になるように、楽器一本一本に個性がありますから、曲なども夫々に決まっています、多くはないですが。
またサックスは主にB♭とE♭の調に分けられますが、いつの間にかE♭系の音と相性がよくなりました。
ちなみに、ソプラニーノ、アルト、バリトンがE♭で、同じE♭のコントラバスサックスが欲しいのですが、高価で手が届きません。




Q2. CD作品を拝聴し、曲によってサックスではない音のように感じることが多いです。サックスではない何か物音のような音も、サックスのもつ歴史を感じるようなその楽器らしい豊かな音も、一緒に奏でられていますね。主にどのような演奏方法をされていますか?


即興の練習はしたことがありませんし、特殊な奏法も研究しません。楽器にプリペアードや細工もしません。基本の練習や曲と呼吸法をやって、常に最良の音が出るように努力しています。即興演奏では半ば来る音を待っています。どんな音がやってきても、その運指も覚えませんし分析もしませんし再生しようとも思いません。形を求めた時点でそれはもう違うでしょう。必要な音ならまたやって来ますし、来ないなら来なくていいと思ってます。
すべて基本や原点が大事であり、そこから離れるのを目的にするのでなく、基本や原点に立った上でどこまでどんな旅をするか、を楽しんでます。
それにしても、まったく私は勉強家ではないですね!




Q3. 山内さんの音楽を表現しやすいサックスはあるのでしょうか?「これはいいサックスだ」と感じるものはどんなサックスですか?


割と早い時期に良い楽器に出会いましたので、あまり浮気はしていません。色々と楽器を渡り歩くより、楽器と仲良くする方が大事かなとなんとなく思っています。息を吹き込んだり触ることで、楽器の材質も変わるのではないかとも思っています。
たまに人のを吹くと、安い楽器でもいい音がでるのには驚きますが、それを使って即興演奏をする「冒険」には興味がないので、どれが表現しやすいか分かりません。
結局「いいサックス」とは、吹き込んでできるものかもしれませんね。
ところで、最近リードで苦労しています。また、一度だけ違うマウスピースで演奏したことがあります。それらを通して、いかに楽器とマウスピースとリードの絶妙なバランスの上で演奏しているかを痛感しました。