salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 インタビュー2

【サルモ・サックス(SALMO SAX)とは】


Q1. 「サルモ・サックス」について、分かりやすく解説していただけますか?


私の行動はけっこう曖昧で適当で、これから更にいいかげんに生きていきたいと願ってます。
「サルモ・サックス」も深い意味はなにもないのですが、いいかげんだからこそ色んな意味や事柄につながっていくことをよく経験します。
渓流釣りをやっていて仲間が増え、名付けたのが「サルモ釣協会」。サルモとはラテン語(学術語)でサケ科のことで、ヤマメもサケなのです。「サルモ釣協会」名でCDもリリースしましたし、「サルモ」を音楽でも使い出したのです。
その後、イタリア語で SALMO は旧約聖書詩編のことだと教わり、びっくりしました。
今は「サルモ・サックス」は自分の音楽世界の呼称という位置づけです。




Q2. Patiruma (波照間)に収録されているsalmoという曲。この曲の滝壺での演奏映像(Youtubeにて)がとても印象的で、そのシンプルで清々しい響き/様子に心惹かれました。ご自身の活動「サルモ・サックス」のsalmoが名付けられていることも興味深いです。この曲について詳しく教えていただけますか?


恐縮です。これもいいかげんです。夜練習に出かけた時のこと、ソプラニーノを組み立てて一息音を発したらアレが出てきました。人様の前で発表するのもはばかれましたが、やってしまいました。でも5コと4コの音列の組み合わせも面白いし、人から聞いた感想ですが、まさにサケが川を遡上する様のようですね! 
salmo と名付けたのは、プロ活動最初期だったからで、他の曲が作られていても salmo だったかもしれません。でもやはりそういう運命でしょうね。最初からサルモ・サックス・ワールドのテーマソング的存在です。




Q3. 「サルモサックス・アンサンブル・ワークショップ」という初心者を交えたワークショップを主催し、その演奏がCD作品にも収録されていますね。このワークショップは具体的にはどのようなことをされるのですか?また、ワークショップを始められた経緯は?


これはいいかげんではありません。17、8年前、短期間サックスのワークショップをした時の試行錯誤から始まり、その後6年続いた「SALMO SAX」というサックス4、5人とベース1人のバンドに引き継がれてできたシステムを使います。「半自動即興」(semi-automatic improvisation)と名付けましたが、長い時間を経たために削がれたものが多く、大げさな名前にしては残ったのは数曲だけです。
サックスの高い技術力がなくても参加でき、かつ深い音楽的感動が生まれるシステムに基づいた曲を体験します。


ワークショップを始めた経緯は、思いついたことは実行するという私の性格によるものが基本的にあります。他には、その「SALMO SAX」バンドでは十分な表現ができなかったため、仕切り直しをしたかった。そのシステムと曲を世に問いたかった。ワークショップ形式による広がりを期待した。プロ活動も5、6年経ち、即興以外の表現を始めてもいいかなと思った。 などでしょうか。
そもそも、従来の編成の音ではなくサックスだけの音を楽しみたかったことと、アマチュア的音楽が好きなことが原点かもしれません。




Q4. もし私がワークショップに参加するとしたら、どういう風に演奏すればよいですか?演奏するコツはありますか?


素直にサックスを吹くことです。




Q5. ご自身の活動に「サウンド・アート」という言葉を用いている理由を教えていただけますか?この「サウンド・アート」という言葉は、今日使われ方も意味合いも様々なようです。


私の演奏は「音楽」で十分だと思います。でも今の時代により適合したことばとして、また活動の場を広げるために「サウンド・アート」を使いましたが、確かに意味合いは多いですね。
それと私の、特に即興の音は完全に従来の音列や概念からはみ出していて、リズムも定型ではなく自分のリズムに負うていて、その音の組み立て方はアート的だとは思っています。
また私は映像も少しやっていて、時々演奏中にそれを使うことがあり、それも理由のひとつです。