salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 ハルリ池

日本中、そしてアラスカ、ニュージーランドまで足を伸ばしてサケ科の魚を追い求め、山の水に心をうばわれ、その水の写真集を出せたらな、と思っていて。
後年、CD「祝子(ホウリ)」の中に写真アルバムを収めることでそれは実現した。
しょっちゅう行く裏山の素晴らしさにますます気づき、いつかそこの池畔で演奏会をしたいとずっと思っていて。
裏山の池の水の映画「ハルリ」をそこで上映できたらと思っていて。
ある日、自分でそこの施設でやってしまおうと閃き、同室での演奏も予定したものの、なんだ、外でやればいいじゃないかと閃き。
こうして規模は小さいけれど、上映会も演奏会も願いは叶った。
エゴでない願いは叶うのだな。




11月1日、山の奥の会場「大分県青少年の森」展示館には予想以上の人が来てくれた。みんな縁に導かれた人たちだと思う。道に迷う人、車をこする人、苦労した人たちが続出。


施設を管理する森林ネットおおいたや友人知人の応援協力で上映セッティングもなんとかできて、ハルリ25分終了。
その後池の向こう側に移動して、みんなには池畔の好きな場所で演奏を聴いてもらった。曲目はこの池と周辺で生まれたものに限定してソプラニーノサックスでソロ演奏。
サックスの音は心地よく山々と池面に響き共鳴した。その時、名もない小さな池はまちがいなく「ハルリ池」だった。


演奏が環境に助けられて、、、という発想もあろう。でもそうでなく、そもそもすべてのものと結びついた出来事、あるいは結びつく場所と出会うこと自体が音楽の成り立ちだ、ということを思い出させ証明するイベントだったと思う。



祝子川で生まれた「ホフネン」の現地での上映はまだ実現しない。そこが限界集落であり、延岡市街地から狭い山道を小1時間かかるから、、、? まだ時期でないのか、思いが足りないか。