salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 裏 山

ホフネンに続く映画制作は、大分県民の森にある小さな池が舞台。


家から車で15分(一般人は20〜30分)。
七瀬川を挟んで裏手に広がる山域にあるのだが、山自体は最高点で標高750m位だからそう高くはない。でも多くの峰々を抱えてどっしりと深い山塊だ。大分市を背後から守っている感じで、実際、そんな寺社や磐座が散在する。
一応渓流魚のアマゴも生息(ずっと以前にアマゴの放流をしたことも)。
条件が許せば1年を通じてサックスの練習ができる。ミシェル・ドネダ(ソプラノサックス)とも雪の降る中ヤキイモを焼いたなあ。
ここで生まれた曲も7曲を数える。
そうそう、今年3月の異常な記録的大雪の時には誰もいない山中で、全く快適ではないスキーを敢行した。これは記録ではないかな。
春。桜吹雪の中、ツクシ、ワラビを。今はタケノコがズンズン。もうすぐキイチゴの季節。
大きい声では言えないが、我が家で伐った枝や増えた花を捨てるに忍びず、ちょっとばかり山に植えたりしている。


このように、撮影、サックス、花見、山菜、ドライブ、お参り等々、年に何日くらい入山しているだろう。
今年は4月までに38回を数えた。


こんな素晴らしい田舎、たんぼ、里山、山岳、渓流などがコンパクトにバランスよく揃っているこの地域の清流七瀬川にダムが完成しようとしている。
山を崩し川を掘り、せき止め、、、この時代に。
一時は見直しされたのだが、工事中断による損失よりも工事続行による利益が「経済的に正しい」とされた!
これ、おかしいよね。どんな立派な論理を持ってきても、おかしいものはおかしい。おかしいと思う感覚だけは封印してはいけない、もはや。


で、撮影中の池(人造池のため名前はない)だが、気持ちよくてずっと通っていて、ある時気づいた。この池は生きている。つまり。。。のだ。
朝も昼も夜も春も夏も秋も冬も晴れも曇りも雨も雪も氷も風も2年半撮影してきて、祝子川と同様に素晴らしい多くの映像をプレゼントされて、今、映画はほぼできた。あとは完成のタイミングを待っている。