salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 東南アジア最終章/サイゴン

salmosax2018-04-10

3.9. フエ空港から最後の訪問地サイゴンへ。
体調はかなり良くなっていた。飛行機が高度を上げ巡航状態になった時、異変が起きた。急に肩が重くなり次に鈍痛が始まった。更に全身が火照り気分も悪化。初めての経験で、どうしたのかもどうすればいいのかも分からずトイレに飛び込んだ。するとなぜか数分で身体が落ち着いてきた。
最初本気で何かが肩に取り憑いたと思ったものだが、本当に暑汗冷汗脂汗が多い旅だ。
その後はスムーズでもなく語る程の事もなく会場のサロンサイゴンに到着。昨年もお世話になったとても素敵なアートスペース。フランス風二階建ての二階がギャラリーで、一階でイベントを積極的に行っている。サンドリンとスタッフ達は準備を気持ち良くやってくれる。何事もスローなお国柄なのに半年も前に開催を確約してくれ、その日程を元に今回のツアーのアレンジを進めたのだった。
当夜はハルリとフウアの上映、そしてサックスソロ。ソロの時もバックにホフネンを流したので、水の3部作ほぼ全編上映したことにもなった。
お客さん達も喜んでくれて、幸せな時間だった。


3.10. 昨年開催をしてくれた Sao La。現在拠点がないため元メンバーのカフェ ”&”(Coeverything)でのソロ演奏会になった。洒落た、アートや音楽を大切にしているお店に若い人達が集まった。
その彼らがぼくのやっていることを理解してくれたことが嬉しかった。
「人種や国境を越える」なんて簡単にいうが、人種や国境でどうしてこうも違ってしまったのか。あるいは違ってはいけないのか。またどこが同じはずなのか。そんな話を音楽を通じて、まさに人種国境を越えてしあえたのだ。
自分の音楽にフォーカスすることで人と繋がる旅をしていて、流行歌や伝統音楽や既存の音楽でなくとも、いやだからこそ既知に惑わされることなく直接に感性で交流できる喜び、を実感している。
カフェにはぼくのCDコーナーが設けられた。


3.11. いよいよツアー最後のライブ。ここまで5日連続の演奏会。確実に時間は過ぎ終わりは来る。
昨年の初訪問で助けてくれたVMRもまた拠点をなくしていた。そこで世話してくれたのが、歌手のフォンが経営するバー Yoko Cafe。
暗くなってじわじわと人が集まりけっこうな数になってきた。ハノイサイゴンのリピーターや移住していたミュージシャンの臼井さんも現れ嬉しい。
出演3組のトップで、30分に集約した演奏をした。これだけの人達が「バー」で静かに聴いてるって凄い、と思いながら演奏。終わってから人々が様々に感想を言ってくれ、CDも売れた。
自分の音が「人」に通じる手ごたえを感じ、感謝で終わった最終夜だった。