salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 ハルリとサックスとダンスの午後

家の南の急崖下を流れる七瀬川を挟んで広がる山域(霊山、障子岳、本宮山等)は豊かな自然を残し、その大部分を占めるのが大分県県民の森。そこに20数年通い続け、ある小さな池の水を撮りためて作った映画ハルリ(2014年)。6カ国の映画祭に入選したハルリを撮影現地にある森林学習館で自主上映、池畔でソロ演奏したのが 2015年11月。


ハルリは自然からの贈り物だと撮影時から感じていた。だからそれを世界に伝え還元したかったし、公的な企画を望んでいた。経緯は省くが「大分県県民の森管理事務所」との共催としての事業が実現する。
10月21日(日)13:30。ハルリ上映と、福岡の「ハエちち」宮原一枝と徳永恭子(ダンス)とサックスとの響宴。
夜の森での実現は将来の夢として、今回は樹々や昆虫や鳥や動物の剥製を展示している部屋の使用を思いついた。下見で軽いテストをしたが、思った以上の面白さ、あるいは凄みさえ感じた。ある意味死の部屋に生命を吹き込むような!


芸術・現代アートと自然の関係は必ずしも良くなかったように思う。だけど単純に言って自然はすべての基本だ。冬山や渓流をさんざん遊んできた者として、自分はそんなことを伝えられる表現者なのかな。
大分の「県民の森」は全国で北海道に次ぐ面積を有し、その有効活用を模索している。それについてアート的なアプローチを提案した。いま時代はそう動いている。山の体験的行事や普通の演奏会などはあっても、もっと踏み込んだ、山や森や水や風と一体となるようなアート、、。そんな思いを汲み取ってもらえたことを感謝している。美術館とは一味違う、画期的なイベントで新しい方向性だと思う。



“誰もが見ていて誰も観ていない池のシュールなおとぎ話”
と謳っているように、春夏秋冬、昼も夜も、大降雪時も台風時も通い、見せられた映像群。いつも優しく包んでくれるこの地。でもザワザワと居ることがはばかれる経験もした。
水の精が見せる水の抒情詩3部作の第2作ハルリ。



”小さな池は語りかけています。ときおり怖いのですけど。
バラバラになった世界がひとつに向かい、そして祭、、、
水の精が水を通して宇宙と人の心を映して問います、「もういいかい?」”



*この映画で歌っているのは大分の歌姫、二宮綾子。それに福岡の倉地久美夫が参加していることは見逃せない。
(以上敬称略)



(ハルリ予告編)
https://www.youtube.com/watch?v=MnstbTnLVfM&feature=youtu.be

(イベントページ)
https://www.facebook.com/events/1888997261395192/

(映画HP)
http://www.salmosax.com/cnm.html