salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 アジア冬・2(チェンマイ)

11/23 初めてのライオンエアーで初のチェンマイ空港に降り立った。
でもバスがない! どうしたものかしばらく様子を見ていて、見るも聞くも初めての改造トラックのレッドバス(黄色でも)との交渉に成功。荷台に乗り込み街へ。
チェンマイは東西南北に正四角形に堀と塀に囲まれた街で、その北面中央にある北門の内側すぐの所にノースゲイトジャズはあった。
近くのカフェでかなり時間をつぶし、やっと主催者で初対面の Opor と Paul が現れた。ホテルへ案内してくれたが、南海のリゾートっぽい雰囲気で嬉しい。


実は、ツアー出発間際になってやっと何ヶ月も前に送ったメールに返信がきたのだった。演奏はOKらしいがナントカナル的な内容で詳しいことも分からないし、ネットで調べても情報が少ない。バンコクから飛行機で往復する無駄も生じるので悩んだのだけど、行かなければ後悔することも分かっていた。で、急遽フライトを予約して2日間のためだけにこうして訪問したものの、どういう展開をするのかまだ理解できてなかった。


夜、ポールとトゥクトゥクに乗って会場 Thapae East へ。チェンマイバンコクと違ってバイクタクシーはないらしい。かれもサックス吹きらしい。イギリス人らしい思慮深い印象で、よくしてくれた。
会場はかなりいかしていて、まだ新しいけど色々とイベントをやっているようだ。北門にあるノースゲイトがジャズ中心なのに対して、東門の外に、よりアート的な表現のためのスペースを作ったようだ。開演まで色々な若い人たちと談笑。遠くへ来たもんだ、という感慨と同時に、多くの観光客やアーティストもいる、ただの田舎町ではないことが理解できた。
1階はバーで、2階のスペースで演奏。1人だけのピンだった。悪く言えばそんなに準備された企画でもないというか。それでも熱心に耳を傾ける人々はいて、それは演奏が終わった直後の空気で分かる。何人かはぼくのやっていることの意味を理解してくれていたりして、こんなのが嬉しい! 内1人は興奮して翌日録音を届けてくれた。CDも売れたし、内容はよかったんじゃないかな。
深夜ホテルに帰って屋台に出かけて異郷の味を楽しんだ。


11/24 ノースゲートのジャズセッションに参加予定。
日中は観光でチェディ・ルアンというお寺に行った。金ピカのお寺はあまり興味ないが、ここは巨大で古く、かつ趣きのあるピラミッド状の遺跡。日陰を探しながら歩く。日本人の声も聞かれる。マッサージも堪能。
一旦ホテルで休んで夜はナイトマーケットに行き、散策したり屋台を楽しんだ。しかしこの夜、お盆みたいな街をあげての祭に遭遇し、人人人車車車で動きもままならず埒があかない。多くのグループが夫々に工夫を凝らし、古い衣装を身にまとって行進していく。けっこう見応えのあるお祭だ。でもセッションに間に合わないとかなり焦って歩き回り、バーで道を訊こうとしたらなんと知り合いがいてバイクで送ってもらった。
店に着いてまた仰天。お客さんがまさに外まで溢れ返っている。200人位いたろうか。参加ミュージシャンもけっこういた。白人も多いなあ。ほぼ毎日演奏が入っていて、特に火曜のセッション日のこの状況がたまたまでなく毎週らしいので驚く。
海外で流れのままにジャズセッションに参加することが稀にあるのだが、意外と受けるようなのだ。それにこんなに大勢を前にして乗らない訳にはいかない。そしてそんな熱い演奏にお客さんも応えてくれ、店の中も外も興奮は高まるのだった。
オーナーでもある Opor がホストで全体をまとめて進行して行く。かれもサックス吹きでけっこう有名なようだ。このお店もかなり知られていることを知った。それにしても隣の芝生かもしれないが、よその土地はエネルギーに満ち溢れている。
再び屋台で〆。