salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 EUツアー2014 その3

コペンハーゲン
10月7日。アムスで休息後、スキポール空港からコペンハーゲン空港。電車で中央駅に移動して、先日のパラードとサルモミーティングに出演したMartin Vognsen の出迎えをうける。2人のCD ”Spanien” をリリースしている仲だ。
彼の手料理による肉団子の夕食会後、会場のメイハムまで、初めて1人で電車バスを乗り継いで行かねばならない。今までも各国各都市を1人歩いてはきたけれど、ストレスだな。
なんとか辿り着いたメイハムは2、3度演奏もしたし、サルモサックスアンサンブルのリハもした所で、なかなかファンキーで広い施設だ。
当夜はこれまでになく音の響きがいい。ソプラニーノで数曲、そしてアルトの即興のパターンで、存分にソロ演奏をした。
泊まりは急遽、MXとして来日したミカエル宅へ。2度目の訪問。



ミュンヘン
10月8日、1日だけのデンマークをあとに、ミュンヘンに飛ぶ。ここに来てやっと暖かい。
主催の Hannes が迎えに来てくれていた。4年振りの再会。いい意味でドイツらしいきちんとした扱いで、車でアウトバーンを突っ走り、説明を受けながら街中を走り、ホテル到着。
実はここまでずっと友人宅に泊まっていて、初めてのホテル泊。たまにはいいもんだ。
そして KiM に移動。この中の映写室が今回の会場。担当者とホフネン上映の準備、、、演奏と違ってこれが時として難儀する。この日もソロ演奏のあと上映を始めると音が出ていない。あわてて前に行ってストップをかけて詫びる、という一コマがあった。
でも好評だったようで、CDの売れ方がそれを示していた。
その後の食事でミュンヘン名物という豚肉の料理を供されたが、前回同様重くてどうにも食べきれなかった。ミュンヘンの食事は相性が悪いのかしら。



(ベルリン)
10月9日朝、青空のもと Hannes の車はかっ飛んで空港に着き、1日だけのミュンヘンを去って、着いたベルリンはやはり暖かく、それは異常らしい。
このところ毎日飛行機に搭乗しているが、空港で戻ってきたスーツケースは車が1個なくなっていた。ベルリン滞在中になんとかしなければ旅が困難になる。
迎えに来てくれた森本氏は、昨年もお世話になった主催者でありミュージシャン。かれに助けられて、ひとまず事故の届け出を済ます。


今夜は昨年に続き2度目のSowieso。店主は本当にいい人だ。かれの主観で気に入ったミュージシャンだけ受け付ける、いい意味の頑固者だ。マイペースながらけっこうな数をこなしている。
ソロのあと、マイク・マイコウスキのベースとハーネス・リンゲンスのパーカッションとのトリオで2セット。いい感じだった。


翌日は久しぶりの Ausland。
恒例の”ささや”で森本氏と寿司を食し、会場の外で開演を待つ。彼いわく、ベルリン時間なるものがあり、それは弊害で悪循環で当分人は来ない、、、といっているところに若者の集団が。驚きながら何かの間違いだろうと見ていると会場に入っていく。更に集団はズルズル続き、50名は来たろうか。会場担当者も含めてみんなでもう笑うしかなかった。
かれらはデンマークの美術学校の学生たちで、先生がベルリンに行くなら Ausland に行けと言われたらしい。その中でこの日を選択してくれたわけで嬉しい。関係者含めて70名ほど詰め込まれた状態で、暴動が起きても困るのでほぼ定刻に開演した。
まずサックスソロ。アルトの高音とソプラニーノのノイズで学生たちの鼓膜を刺激し、間に何曲か挟む。次に森本氏とデュオ。かれとの共演はいつも安心感があって、適度な緊張感もちゃんと保たれている。
そして小休止後、ホフネン上映。
開演までは酒を飲みタバコを吸って騒いでいた学生たちだが、さすがというか意外というか、大した集中力で聴いて観ていた。そして盛大な拍手も。
また、千野秀一氏やニシジマアツシ氏も来てくれていた。日本で会えない人と会えるのがベルリンであり外国なんだな。


ベルリンではミュージシャンで初対面の日本人イク・サカン宅に3泊。DJ出身のかれはCDリリースの準備中で、誠実に音作りをしていた。
オフの3日目は彼と森本氏の3人で街に出て、夜は送別会。彼らのおかげでスーツケースのクレーム処理もなんとかできた。
就寝は朝の4時。昨年もそうだが、ベルリン最終日はこうなる。