salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 EUツアー(コペンハーゲン)

(6/13-15)


就寝は1時半になった。5:07のバスのために目覚まし時計を4:20にセット。
デジタル時計って鳴るのかどうか、ゼンマイ時計と違ってなぜか不安を感じるものだ。それに床についてからも興奮が治まらず、緊張と両方で寝付けない、、。まどろんだだけで4時に起きた。昨夜からの雨が降っている。

今まで知らなかったが、すぐ近くにアンネ・フランクが住んでいたらしく(西教会の近くの捕まった家の以前に住んでいた所)、そこに銅像があってそこを通ってバス停へ。
バスは直行便なので助かるがけっこう人が多く乗っている。お金を払おうとすると、ノーカウント?とか言ってチケットをちぎった残骸の束を見せて受け取らない。これはもうチケットがないからタダということか? カードで乗る人は有料なのか? なんてアバウトなんだ! なんて楽しいんだ!
スキポール空港に着いて税関チェック。飛行機はこれが面倒でいやだな。アメリカでは靴まで脱がされる、、!


6:55発の飛行機は、ちゃんと9時前にコペンハーゲンに運んでくれた。
やはり雨は降っていた。オランダやデンマークは天気が厳しいなあ。


マーティン・ヴォンセンとかれの家へ。EUツアー前々回に続いて2回目の滞在。
かれはギターやエレクトロニクスの音楽家で、JVTLANDTというレーベルもやっている。CD「朝見」もここから出してもらった。ぼくの今回のツアーに合わせて、かれとのデュオCD「Spanien」のリリース日を設定した。つまり2人のレコ発ライブというわけだ。
3日間ここに滞在して3日目に演奏会なのでゆっくりできる。これまでパリ〜ベルギー〜アムス、と3カ国4都市で怒濤の6日間連続の演奏会が続いていた。そんな時は今いる所や国がどこなのか、一瞬分からないことがよくある。


2日目は午後から2人で出かけて、ほんのちょっぴり観光。そしてあの人魚姫に立ち寄った。
小さい頃、海外旅行の象徴のひとつとして、もしかしたら日本人みんなの夢のひとつとして刻まれているあの人魚姫。3回目のデンマーク入りでとうとう訪れた。
以前からその不人気さや、首を切られる事件とか、出張したりすることとか聞いていたしで感動はなかったが、落胆もなかった。これで確認はできた、よし。
この街にはブロンズの像がたくさんあり、その中のひとつだった。
そのあと近くのレストランに行った。ぼくが伝統的な料理を所望したからだ。
PETERSBORG というその店は300年以上の歴史があるらしい。こんな時に飲むもんだという強力な酒を一口味わい、ファイケデラ(肉団子)とポテトを注文した。
肉のミンチと混ぜ物を適当に丸めて焼いた塊がいくつかと、親指と中指でできる輪くらいの大きさのホカホカのじゃがいもがウジャウジャ。それらにグレイビーをかけ、紫色のキャベツを煮たものが添えられていた。
なんとマーティンはこんな普通の家庭料理に思えるそれを食べるのが初めてだという。そしてそのおいしさに驚いた。2人して感動しつつ頬張り続けた。
美味美味!



3日目マーティンとのコンサート。メイヘムにて。
ここは演奏会も、サルモサックス・アンサンブルのレコーディングもした所。ちょっとイカレた雰囲気の、文化的◯×△の集合的施設群の中の一角にある。
一昨年に村山政二郎さん共々泊めてもらい、MXとして来日公演もしたミカエルがスタッフで来てくれた。
演奏前に、馬鹿にしているのか、といいたくなるように巨大なイタリアンサンドイッチを食す。デンマーク製のジンジャーエイルうまし。
天気が一時崩れたせいもあってかお客さんは少なかった。


デュオではマーティンはギターを使いはしたが、弾くというよりエレクトロニクス的プリペアード奏法だった。好みとしてはレコーディングした時の"弾く"方が好きだな。レコ発なんだし。それでもデュオはなんと90分演奏したらしい、、信じられない。
そして、ソロ、ソロの順で進行。
会場の響きが良くて、今回のツアーでも一番くらい音が伸びて気持ちよくソロができた。
かれは爆音系のエレクトロニクス演奏でソロ。
ぼくの例の高周波の曲のほうが爆音だとあきれていた。
演奏会終了。


明朝はまた早い。飛行機でベルリンへ飛ぶ。