salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 EUツアー (マルセイユ)

(5/31-6/1)


マルセイユに泊まる所さえなくなり、色々なことが頭を駆け巡った。
リヨンのこの場所に留まる手もあるが、でもすでに購入済みの列車チケットはパアになる、その差額でマルセイユのホテルに泊まることも可能だ、でももうとにかく明朝出発の刻限は間近だし、超眠いし、かなり混乱したがトゥールーズマルセイユで会うことにしていたパリの友人にヘルプメールを送信して就寝。
翌朝、かれらの返信があることを願い、また受信をできることに望みをかけて列車に乗り込んだ。


昼には2度目になるマルセイユに到着。明るいが風の強い日だった。
パソコンの接続は、泊まる先々ではほぼ支障はないのだが、公の場でのワイヤレス受信は自信がなく、不安満杯。駅でまず入ったカフェではさっそく失敗。インフォメイションで訊くとマックが大丈夫だ、というので入ってみる。店員に尋ねるとパソコンを開くだけで大丈夫だ(多分そういう会話)というのでコーヒーを注文。で、そうしてみるとやはりダメ。いままでも空港でもどこでもほとんど成功したことがないのだっだ。でもなにかしら画面にフランス語メッセージが出てくるので、この際エイっとクリックを続けていくと接続に成功してしまった。
かれらからの返信も得て、泊まる所も2カ所の可能性があって、どちらにしようかなどと贅沢に悩んでしまう自分だった。
とはいえ、その後簡単に事が済んだわけではないのだけど、とにかくクタクタヘトヘトになってオーガナイズなどを手がけるダミアンという人のアパートに辿り着くことができたのだった。
夜には友人に会うこともでき、その友人達と食べたりパーティに行ったりで、就寝はまた3時半になってしまったが、翌日昼までゆっくり寝て、陽の射すアパートの4階から街を見下ろし、、、はて、見覚えがあると思ったら、ここは前回泊めてもらったアパートの同じ並びで100mも離れていない所だった!


ともかくも、言葉も難しい、電話も持たない、メールも難しく、楽器2本とバッグとスーツケースで動きもままならない状況で、知らない外国の土地に放り込まれる経験を是非勧めたい。
こんな経験ができることを嬉しくさえ思う自分がいる。


この都市はフランスで2番目の大都市なのに、そこにいてその大きさを感じないし、人の伊吹が近く直接に感じる生きた街だ。日中は街をうろつきアラブ風のピザや焼き飯を食して過ごした。2日目の夜はまた友人達と会って、中近東やメキシコやギリシア混成の音楽の楽団を楽しんだ。バーにすごい人数が集まり、最後にはダンスも加わり、ラテンの熱気が充満した。
終了後、人も少し減ってクールダウンした頃にセッションが始まり、乞われてソプラニーノで参加した。そして普段の即興演奏とは対極の音楽を楽しんだ。みんなの反応もすこぶる良く、ぼくの演奏を感激をもって楽しんでくれ、結局朝の4時過ぎまで演奏は続き、就寝は5時を回った。


結局、前回同様にマルセイユは公演なしに終わり、でも友人のおかげもあり、2回のマルセイユ滞在は楽しいものとなった。これも運命だろう。