salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 Three Rushes

2010年のヨーロッパツアーの際、リスボンに寄って 7/13 に録音してきたものがCDリリースされた。
やっと現物を手にしたが、すでにヨーロッパでは昨年12月に発売されている。
ジャケットはむこうの古い風車小屋。なかなかかっこいい。
その解説文を書いているのはベルギーの演奏家でオーガナイザーの JEAN-MICHEL VAN SCHOUWBURG。かれの協会 INAUDIBLE に招かれて2日間のワークショップを行ったことがあるのだからおもしろい。
http://www.creativesourcesrec.com/catalog/liner_notes/linernotes_227.html


"Three Rushes" ( cs227 )
Ernesto Rodrigues - harp
Katsura Yamauchi - alto saxophone
Carlos Santos - computer


あちらではぼちぼち反応が出ていて、NYのレコード店から来ないかとメールが来たけど、旅費を出してくれたら飛んでいくのだけどなあ。
エルネストは、ハープとクレジットされているが、バイオリンとビオラを演奏する。むこうではそれをハープというのかしら。
初対面だったカルロスは穏やかな人で、熱いラテン人であるエルネストとは対照的だった。コンピュータとあるが、いわゆるラップトップ奏者である、と言った方が逆に一般人にはわからないか。
ミュージシャン各々をガラスで仕切った、プロの手によるスタジオ録音を初めて経験した。ヘッドフォンを使用しての演奏は馴染めなかった。よく覚えてないが10曲は演奏したかしら。1曲10数分以上の真剣勝負。疲れた。
外国人との録音や演奏でよく感心するのは、体力があるなあということ。よくいえば、ぼくは1曲に集中するタイプなのでそんなに演奏数はいらないし、日本人的な引き際の美学も持っている。
でもデンマークのサックス奏者3人とサルモサックス・アンサンブルの録音をした時はかれらの方がギブアップした。音や音楽に対する神経の使い方が違うのだろうか。



ぼくのCDを書き出してみると:
①SALMO SAX、②La Drache/白雨(フランス録音)、③Patiruma/波照間、④Signal to noise Vol.2(スイス)、⑤Signal to noise Vol.4(スイス)、⑥祝子/Houri、⑦Asami/朝見(デンマーク)、⑧浴湯人/Yokutojin、⑨Three Rushes(ポルトガル


タイトルに英語表記と日本語表記の併記が多いのに気づく。
12月にリリースしたとしまるさんとの「浴湯人」は、考えてみたら初で唯一の日本人との共演CDだったんだ。
今春にデンマークでリリースが内定している10枚目のCDも、デンマーク人とのデュオだ。
そして内5枚が海外盤で、この音楽活動10年余で10枚となる、、。