salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 アジア11・マンダレー

3/11 朝4時に起きて、バガンのホテルをあとにタクシーでマンダレー行きボートの待つ港に向かった。
父は戦争末期、漁師に交渉して小舟に仲間と隠れ乗り河を下ったと聞いていたので、いつか船旅をしてみたかった。


暗闇でタクシーから降ろされ、砂の堆積した川岸の向うにぼんやり船が認められた。施設らしいものはなく、運転手の指さす方に歩いていくと、どこからともなく女性がチケットの確認にやってきた。間違いなさそうだった。
でもその先の砂浜と船を繋ぐのは手すりもない一枚板のみ。それが3枚連結されていて、船側には竹の手すりらしきものがあるものの、楽器二本にショルダーバッグとスーツケースを持って渡らなければならないようで、ボーっとした頭でこれは夢か現かと疑うのだった。乗組員たちもまだスイッチが入ってなく無愛想だし、海賊に拉致されるような気分になった。
その後乗客たちもボチボチ増えて来て、妙な安心感が出てきた。


5時半出港。船はイラワジ河を遡る。大きくも小さくもない船は軽快に進み、やがて日の出を迎えた。昨日に続き曇り気味なのが残念で、でも涼しくもあり、そして時々ちゃんと太陽がのぞいてくれる。
イラワジ河岸幅は2〜3キロあるだろうか。その間を水は好きに流れ、船は深い所を求めて蛇行していく。
岸は心配になる程ほとんど護岸されてない自然のままで、あちこち崩れている。たまに家畜がいたり集落があったりの光景が延々と続く。時折貨物船や作業船、観光船、漁船が行き交う。
給仕は若い愛想の良い男で、歌いながらのびのびしていた。軽い朝食と昼食それに飲み放題のコーヒーが付いていて、これで32ドル。


夕方5時、サガインヒルを左に見ながらまもなくマンダレーに着いた。1年前に世話になったタクシードライバー親娘が迎えてくれていた。