salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 レンヌ

ジャンミシェルは仕事の前に駅に連れていってくれ、ブルッセルをあとにレンヌに向かった。


しようがなしに高いお金を払いTGVに乗り込み、まずはパリへ。パリで乗り換えはいいのだが、北駅からモンパルナス駅に移動しなければならない。あわてて地下鉄マップとチケットをスーツケースから取り出す。多少パリの経験があったからよかった、、。チケットは2、3年前に買ったものだが使えるかな。
アムステルダムではトラムでストリッペンカートを差し出すと車掌があきれた顔をした。もうそれは終っていてカード式に変わっていたのだ。そんなこともあったので少し緊張してチケットをメトロのゲートに差し込むと、、、開かない。
動揺していると扉の向こうで黒人のニイチャンがフランス語で何か手招きしている。要は誰かのあとについて入って来いとのことだったが、親切なことにずっと待って訴え続けていた。しばらくしてやって来た人に続いてすばやくすり抜けようとしたが、いかんせん楽器2本とショルダーバッグを肩にかけ、スーツケースという完全装備のために身体が挟まれた。懸命にもがいてやっと入場したのだが、挟まれたのが楽器でなくてよかった。それを見届けたニイチャンは去って行った。いい奴だ。


こんなこともありつつ電車の乗り換えも成功し、ブルターニュ地方のレンヌに着いた。ところが来るはずの迎えがいない。そんなに大きな駅ではないし、ミーティングポイントを探して1時間以上待っていたが現れないので、観光用の案内所を探すために駅の外にいるツアーコンダクターに聞こうと思って近づいたら、なんとその人が手にしていた紙に「LA BASCULE」とある。迎えの人だった。やれやれ。アニックというそのおばちゃん、とてもいい人なのだがほとんど英語がしゃべれない。やれやれ。


会場は前日に負けない古い建物で、1階のバー LA BASCULE が会場。8時頃に共演のベーシスト、エルベと2人に食事が供された。ジャガイモとトマトとチーズを混ぜて焼いたものに、サラダ、バケットと簡単だけど美味しかった。それにデザートとして大量のクレープ。


演奏は9時40分開始、デュオで1部。2部はかれの短いソロのあとに、いつもより少し短めにサルモサックスソロ。昨日のような盛り上がりはなかったけど、デュオは定型的なパターンにならず、適度な絡みと距離感をもっていてよかった。
こうして初のブルターニュ演奏は終わり、店のマスターやスタッフ、それにエルベやみんなに喜んでもらえた。