salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 東南アジア3/サガイン

salmosax2018-04-06

2.24. いつものタクシー父娘と再会して、初めてマンダレー宮城内に入った。旧日本軍司令部があったため、熾烈な戦闘で全て破壊されたらしい。しかし、当然父も足を運んでいた場所なのでと考えを改めてのことだった。
四角く堀と壁に囲まれた内側はとてつもなく広いが、そこには王族だけが住んでいたという。更に中心にある王宮はよく再建したものだと思うと同時に、展示物も少なく建物も復元なので見応えは今ひとつ。ミャンマーにあった多くの宝石は欧州に流出し、搾取された歴史を気の毒に思う。
その後いつものパターンで駆け足気味に、マンダレーヒル日本兵慰霊碑、そして父が主にいたイラワジ川対岸のサガインに移動してサガインヒル日本兵慰霊パゴダ参拝、父の友人の家族宅訪問を終えて投宿した。
夕食後馴染みのカフェで新婚さんになったカップルと待ち合わせ。
ここまでハードスケジュールだった。カフェのおばちゃん、またお金を取らない、、、困った。


ミャンマー3度目の今回はヤンゴンで演奏会が実現して、少し演奏ツアーらしくなった。でもここサガインは父に関する殊更個人的な旅。2015年初めてここを訪れた初日に奇跡的に全ての探しものが見つかり、歯車が動いたことは以前のブログにも書いた。帰国後、母も父の友人コミヤテンも待っていたように逝った。2度目には扉をくぐったあとの出来事が起きた。
自転車で父のいた事務所や宿舎など廻っていると音楽が聞こえてきた。直感で生演奏と分かり近づくと、父の残した写真と同様な光景があった。子供がいわゆる三日坊主になる小坊主式だった。サインワインなどの伝統楽器に現代のキーボードや大太鼓も混じった、生きた伝統音楽、踊り、行事を体験でき興奮した。
また、その写真のお寺がサガインヒル麓にあると分かり訪れると、父がイラワジ河畔で写った写真はお寺の目の前だと特定でき、いかに父が足繁くサガインヒルを訪れていたかが偲ばれた。
その近くの病院に日本人看護士たちがいるというので、行っておしゃべりして帰った。
夜、カップルが家で送別会をしてくれ、その後例のカフェにお別れに行き、、、ありがたい。


ところで正直言うと、ミャンマーは美しいだけでなくゴミだらけなのだ。少し前の日本もそうだった。かつてのゴミは自然に還ったが、石油製品はその循環を壊した。そして力づくで走るモーターカーは周囲をホコリだらけにし、しとやかな緑に包まれた静かな環境は消えた。それは今後も「発展」により更に続くだろう。同時にまた、そもそも汚いとはなんだ、という問いも絶えず突き付けられるのだった。
カップルにそう打ち明けると彼らも承知していて、問題意識を持っていることに少し安心した。
3日間のサガイン滞在は終わった。