salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 北米・北西海岸ツアー 3-3

(続き)


10/19. オリンピアは全部歩けるほどの小さな港街。ファーマーズマーケットでゆっくり過ごし、夜は地元でライブ。中心部にある Obsidian という広いレストランの奥にまた広がる秘密っぽい会場。
夫婦のバンド Hammer of Hathor。そしてアーリントンのバンド、ブラッドムーンラガ(タブラがよかった)。そしてぼくのソロ。アーリントンの声のパフォーマンスもいいなあ。
ぼくのソロの途中で近くの空調の音が大きく鳴り出して困ったが、この日のお客さんたちも集中して聴いてくれてCDも売れたので、やれやれ胸をなでおろすのだった。日本にいる親に勧められて来たというハーフのコが嬉しそうに話しかけてくれ、こちらも嬉しかった。
https://www.facebook.com/events/1792717220942537/



10/20. 昼食後、昨夜のHammerの2人の家の地下でセッション。普通の家ですから!
夕方、アーリントンとエレクトロニクスのネイサンの3人で、ネイサンの快適な車でポートランドへ。オリンピアから片道2時間。
演奏会場はレコードと雑貨とバーが一緒になった店、Turn Turn Turn。音楽シーンに重要な拠点のひとつらしい。聴衆も多く熱かった。こんな店がミュージシャンと音楽を支える。
ふたつのバンドが終わってぼくのソロ。次にアーリントンのバンドで、その一部に再び参加する4部構成のプログラム。
開場前に食べた牛のテールのジャマイカ料理が腹に重くて心配したが、ソロ演奏は自分なりに高い水準でできたし、素晴らしいドラマーを有するアーリントンはエキサイトしていたし、コラボも完全だった。
深夜帰宅。
https://www.facebook.com/events/330327090644257/



10/21. オフ日。1人街を探索し、夜、再びネイサンのアパートで、チャイナを加えた4人でレコーディング。
なかなかにおもしろい録音も残せた。これらの音源、どうなるのかな。



10/22. ツアー最後のライブ。チャイナの車に5人乗り込み、再びシアトルを訪れた。
着いて驚いたが、会場のチャペルは2007年にも訪れていて、その時打ち上げに行ったという日本人と話していて記憶が蘇ってきた。Good Shepherd Center といい、もと学校でその中にある礼拝堂だったらしい。天井の高い響きの良い会場で気持ち良く演奏できた。一部はアーリントンのブラッドムーンラガで、二部はサックスソロ。三部全員によるセッションというプログラム。
なにしろ最後だしで、ツアー中やらなかった曲を交えてゆったりと響きと間を最大限生かして演奏。
ソプラニーノサックスは小さく精密で、そのオクターブ用の穴を唾や水分が塞ぐ不甲斐ない事故が時折起きていた。そのためツアー直前にそのキーとの隙間を広げる修理を済ませていたのだが、最後の曲の最後でまた起きてしまった。冷や汗が出る暇も与えず、必死に口の圧力で1オクターブ落ちた音を上げてごまかす場面も。
それでも続くアルトサックスの即興演奏も気持ち良くでき、なんとか納得の有終の美を飾れたと思う。聴衆の暖かい拍手が嬉しい。
今回のツアー全般に言えるが、ありがちなアメリカ人に対する先入観とは違い、こんな場所!というような所も含めて、みんなが静かに集中して音に耳を傾ける光景は素晴らしかった。やはり懐が大きいのだ。
ぼくの音楽を理解し、このツアーをアレンジしてくれたアーリントンに感謝。
https://www.facebook.com/events/341761649506874/



その後、バスでまたまたバンクーバーに戻って飛行機に搭乗。寒がりのぼくは2週間ずっと厚着で通したのだけど、福岡空港に降り立つと汗が吹き出し慌てて服を脱ぎ捨てた。九州はいい。



(演奏スケジュール)
10/12 バンクーバー
10/14 タコマ
10/15 シアトル
10/16 ビクトリア
10/17 バンクーバー
10/19 オリンピア
10/20 ポートランド
10/22 シアトル


(完)