salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 北米・北西海岸ツアー 3-2

(続き)


10/14. 本日から実質ツアーの始まりで、全部車で移動する。ヨーロッパにしろアジアにしろ基本公共交通機関の利用で、たまにスクーターとか、、。やはりアメリカだ。
日中のんびりとカフェに行ったりして過ごし、夜はマウント・レイニアが近い隣の市タコマのブックカフェ NPCC でライブ。木造の壁の一角に本棚があるが新刊ではなさそうで、むしろバーの雰囲気。
3組出演のラスト。まずソロ。ソプラニーノで新曲を交え数曲とアルトで即興演奏。30分。そしてアーリントンとチャイナのソプラノサックスとの3人で3、40分。アーリントンの自作バスクラリネット(ブロミオフォン)はいい。
みんな静かに聴いてくれて好評。深夜帰宅。
https://www.facebook.com/events/1668571343455357/



10/15. シアトルに移動し、海岸沿いのパイク・プレイス・マーケットに連れて行ってくれた。そこが観光名所とは知らなかった。某カフェ1号店をチラ見。日本の食料や物品のマーケットもチャイナタウンも巨大大学もあるシアトルは大きな中核都市だろうか。
夜は郊外にあるブルームーン、、、カントリーを演奏すべきか悩むようなバーで公演。3組のラスト。アーリントンにチャイナのソプラノサックスとロリのチェロとの4人の演奏。嵐の警戒情報が出ている夜に集まった多くの聴衆は、失礼ながら静かに聴き入っていた。
米国に入ってから、数十年来の最恐と言われる嵐がつきまとうものの、微妙に我々を避けていく。
https://www.facebook.com/events/1784666318415804/



10/16. シアトルからカナダ国境を超え、大型フェリーでちょっとした船旅を楽しんでビクトリアへ。美しい風景の中、アザラシが潮を吹いて泳いでいた。
初のビクトリア公演の会場は Copper Owl という高級クラブ!? 海外では思いがけない会場が時折あり、ビックリやら楽しいやら。本当にここで自分の音楽やっていいの、と思ってしまうのが日本人かもしれない。アーリントンは燃えてたなあ。赤いライトを浴びて絨毯の上で、2人はソロとデュオを楽しんだ。
その後地元のパンクバンドにかれと乱入して爆発炎上を起こして感謝され、隣接するホテルの広いベッドでゆっくり休んだ。
https://www.facebook.com/events/1288671361150473/



10/17. 大きなトーテムポールが立ち並ぶ先住民博物館に寄って、大きいけれど静かなビクトリア市街を後にした。きのうのフェリーで後戻りして上陸後ひたすら北上。車のラジエターのパイプがはずれて水温が上がるトラブルがあったものの、エンジン音も快調で良く走る車ではある。せめて左のサイドミラーくらいは付けて欲しいが。拾ったクレヨンで車内に落書きしてデコレーションするアーリントン、、。
再びバンクーバー入りして、チョット物騒なチャイナタウンにある会場のセレクターズ・レコードに到着。カッコいい店だ。手際よく商品をのけたスペースに、質の高い聴衆が散々午後集まってくる。
40分位ソロをやって次にアーリントンのソロ。最後に日本に滞在中のレニック・ベルのコンピュータ音楽。pcの言語をリアルタイムに音に変換していた。
終演後、日本人の友人たちを交えてコリアンレストランへ。
https://www.facebook.com/events/174025099711028/



10/18. 3度目の国境超えでオリンピアのアーリントン宅に帰る。
オフ日で身体を休める間、まるで川のような細長い海峡の自然公園に連れて行ってくれた。静かな海面をたまに通るボートの起こす波が時間をかけて岸に到着する。その時の音と形に興奮する。この宇宙は全てが繋がっていて一体であることの実感は難しいが、それを易しく伝えてくれた。音の波は残念ながら見えないが、それは立体であり猛烈に優しくあらゆるものを巻き込み影響しあい変化し、そこに単独の動きはありえない。


(続く)