salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 台湾3(台中)

6/15 Fangyi と寝床を出て駅へ歩く。日差しの強い中、途中で肉まんとか買い食いして休みながらして到着。
列車で新竹から台中へ南下。台中というくらいで台湾西海岸の中部に位置する。
タクシーに限らず交通機関は安く、日本の高さを思い知る。台中駅からタクシーで会場近くまで行き、これまた凄く細い路地を通ってビルの非常階段を最上階までヒイヒイ昇って会場に到着。でも誰もおらず入れないので、入り口のソファで扇風機の風を浴びながらしばし待つ。


会場はビルの屋上を囲った半建物の奇妙な空間で、自然好きのアート仲間の拠点で「渓流」というスペースなのだけど、台湾でも以前は「けいりゅう」と発音していたらしい。メンバーと山の話や今や天然記念物になっているヤマメ「台湾マス」の話をする。ヤマメの南限域であり、宮崎鹿児島あたりから一足飛びに台湾のしかも一河川に生息している不思議。
ヤマメはぼくのサルモサックスの語源的ルーツでもあり、かねてより当地での釣りを夢見ていたが、もはや時代は手遅れのようだ。


やがて企画・共演者の Immanuel が到着。ハーフのかれは西洋人に見えた。エアコンが好きなぼくは彼らとカフェに逃げ込んで、開場までの時間をつぶした。


さて、ボチボチお客さんが集まったところで開演。
Immanuel はいわゆるエレクトロニクス奏者だが、叙情的でドラマティックな内容だった。
Fangyi はマイクを手に声や小物を使ったパフォーマンスで、ドライとウェットが交錯した。
ぼくは、半分外という空間で雑多な音や扇風機の音が聞こえる中での生音の表現なので、音のハッキリしたソプラニーノサックスを少し多用した。
各ソロのあと、3人の共演で終わり。


演奏後、街の食堂で名物という牛肉麺を食す。見た目はちょっとうどん風、味は沖縄そばか。
そして、泊めてもらうマンションにゾロゾロと何人もが移動。
その中のひとりSは沖縄からたまたま旅で来ていて、しかもぼくを知っている男だった。それに北欧人Pなど、まさに国境なき雑多な連中で、遅くまで飲み食いし語らった。その後エアコンで少し寒い部屋で皆が雑魚寝する風景が展開したのだった。