salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 マルメ & アムステルダム

初めてスウェーデンの地を踏んだ。といってもコペンハーゲンから電車で30分くらいの対岸の地。デンマークで一緒だったサックスのマーティンが駅に迎えに来てくれた。実は駅を間違えて隣の駅に行ってしまって随分とあせってしまったのだけど、かれとギターのアフェは待っていてくれた。


嵐の中を近くのいかしたアトリエに移動。オーナーもみんなもフレンドリーで和む中、日本人女性も3人ほど来てくれた。
マーティンとアフェのソロのあと、休憩を挟んでソロ演奏。サルモサックスのベーシックバージョンを披露した。みんな興味深く聴いてくれたようだ。天気が良かったら日本人も含めてもっと多く集まったのにと残念がっていた。


演奏後、みんなとバーで語らって解散。嵐のあとの丸い月がさえざえと興奮するほど美しかった。


泊めてもらった所のかれは、歳のいった学生で、環境などのことを勉強していて、サルモサックスの細胞レベルのコミュニケーションや気配などのことにも理解が深かった。
スウェーデンは学校が無料で、歳に関係なく学びたいことを学べ、しかも卒業後の受け皿もしっかりしているらしい。
翌日一緒に昼食をとった福岡が実家の日本人女性とスウェーデン人の夫婦は、特にかれは日本の歴史や古代遺跡などが好きで、ぼくの曲「チクシ」の生まれた八女の岩戸山古墳も、国東の里なども訪ねていて、話が異常に盛り上がった。
マルメはこじんまりした都市だけど、多くの演奏会場があり、また即興を含めて多くの演奏会が開かれているらしく、またぜひ来たい。




昼食後、コペンハーゲン空港に戻りアムステルダムへ。
宿泊先の友人宅は、7、8年前、初めてのヨーロッパ行で滞在先に選んだB&Bのすぐ裏にあり、とても懐かしかった。


軽く食事をして Badcuyp へ。劇場風のそこは1階はバーでジャズ演奏があり、2階が今夜の会場だった。
演奏会は昨夜と同様に3人のソロ演奏。
ネッドのフルートソロは嫌みさがなく、オーストラリアの女性クラリネット奏者 Aviva が演奏する現代曲は素晴らしかった。
休憩を挟んでの自分の演奏は「手前味噌」、、だった。みんな喜んでくれた。
こんな開放的で充実した演奏会はそうそうない。それがこのアムステルダムで行われたことも。


初めてのヨーロッパにアムスを選び、初めてヨーロッパの空気の中で音を出し、この地で右も左もわからないままに手探りを始め、期間的にも数的にももっとも訪れた街。だけど正式なソロ演奏をする機会はなかったし、お金をもらうことも難しかった。実際アムスでの活動はあきらめていた。
それらが実現した夜だった。


夕方の突然の大雨もアムスらしかった。


今夜の少しこわれた円形の月もなかなかだった。