salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 奉納演奏

御許(おもと)山に行ってきた。といってすぐにピンとくる人はまずいないと思うが、宇佐八幡のご神体が御許山(647m)だといえばよかろうか。全国にある八幡社の総本山が大分県宇佐神宮で、東大寺大仏造営に関わる託宣(お告げ)や、神仏習合であったり、神輿の起源だったり、と歴史的で重要な神社だ。


この山のことはずっと気になっていたが、なぜか行くこともなく時間が過ぎた。急に思いついて、時間の制限もあったので車で登って来た。ネットで調べると、相当な悪路で分かりづらい道だと書かれていたが、山慣れしているので迷うこともなく8合目になんなく到着。そこに駐車して結界を越えて登っていくと、まもなく山頂部の鳥居に至り神社に着いた。


宇佐神宮元宮の大元神社と、小さな大元八坂神社の二社が向き合って鎮座し、その間の空間は木々に囲まれた、直径10数mの円形にも見える広場になっている。また大元神社拝殿背後の御許山最高点はこんもりとした森になっていて、ご神体の三つの磐座が祀られているらしいが、誰も立ち入ることは許されない。
その広場も森も、まるで沖縄久高島の御嶽(うたき)のような感じがした。


自分にとっては神社の由来を知るよりも、そもそも人がこの山(地)を畏敬してきた本来の感覚みたいなものに触れたい。
拝殿の正面に立ってソプラニーノで「チクシ」を奉納した。演奏会のときと違い柔らかく吹けた。
そして即興を1曲。こちらは集中が足りない演奏になってしまった。天罰がおりそうだったが何事も起きなかったので、神様は苦笑していたのだろう。
マズイなあ。
次回は車でなく下から歩いて登るとしよう。