salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 新 潟

藤井氏の主催により、初めて新潟での演奏会が叶った。
http://fleaongak.blogspot.com/
かれは素敵な音楽愛好家で、企画に関しては素人といっていいのだろう。
メールでやりとりをしていたのだが、あの地震直後に少しだけ歩みが遅くなった。かれの親族の方も被災地近くにおられる。滞在中にも何度か余震があった。でもそれでも歩みは止まることなく実現にこぎつけた。メールインタビューをまとめて冊子も作っていただいた。すべてにおいて丁寧だった。
かれを紹介してくれたのは音楽家で新潟在住の福島諭さんで、ずっと協力応援を続けてくれた。当日はラップトップ演奏で参加し初めてお会いしたのだが、藤井さん共々その若さに驚いた。ふたりとも繊細で誠実な人柄だった。
また、新潟にはかれらの若い仲間がいるようだった。若い人たちがいることは何より嬉しい。


お世話になった会場、画廊「フルムーン」のある古町を散策したが、アートで街を盛り上げる試みがやはり若者達によってなされていた。シャッターが少々おりているものの、なかなか味わい深い街だった。
そこにある銭湯にも入った。最近ツアー中に銭湯に行くのが楽しみになってきた。京都では何回か行ったし、名古屋でも。タイミングが難しいのでそんなには行けないけど、温泉とは別の楽しみ方がありそうだ。
思っていたより新潟市は大きかった。そういうと地元の人たちは決まって驚く。大きさの基準は曖昧だが、アーケード街が2つ以上あれば大きい、と思っている。それに露店や市場などがあれば更に良い!


日本半周ツアー4月11日の新潟公演は、福島ソロ、山内ソロ、トークの3部構成だったが、音は町屋の家屋にしみ入り、企画者、スタッフ、聴衆、演奏家みんなが静かに溶け合ったような夜だった。
どこそこの土地が好きだ嫌いだ、というが、それはたまたまその時に出会った人々や起きた出来事などによる印象が大きいのだと思う。ぼくは新潟が好きになった。