salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 SALMO RISE vol.1

SALMO RISE 9/21公演のため1週間の東京滞在。
その間、鈴木治行氏の作曲公演。Jeff Henderson、秋山徹次、平間貴大、河野円のライブ。Johan Berthling、角田俊哉、杉本佳一等、の3つのコンサートに行った。
アップリンクのCDマーケットに急遽2日間参加、Patiruma2枚販売。
友人知人の家を転々としながら、なかなかに充実した日々。
そして最後に矢野氏宅にて "SALMO RISE" 最終打ち合わせ。


かれは5年前の東京デビューからのお付き合いで、ぼくの音楽活動を経済的にサポートするための定期的企画 "SALMO RISE" を主催することを決めた。これからの活動の核のひとつになるだろう。
SALMO はヤマメなど鮭の学名。RISE は魚が捕食のために水面を跳ねることだが、上る、飛躍、などの意味も。


「やぶいぬ」ブログ(http://d.hatena.ne.jp/Bushdog/20060311)で知られる氏は、もちろん興行は初めてのことで、奥さんと一緒に慣れない作業に苦労されていた。
かれの住まいに近い会場「門天ホール」はビルの最上階にあり、変形五角形をしており、窓からはビルの夜景が望める。これらに照明等を絡めて、面白い空間を演出できそうだ。今回は座布団で川の流れを作ったのに誰も座らず、皆椅子ばかりだったが、アクセントは与えられたと思う。
お客さんはなかなかの入りで、その8割が予約という、不思議でおもしろい現象だった。
しかも矢野氏の人柄を反映したものか、ほぼ時間通りに来場、定刻開始という驚きも加わった。


1部、即興1曲40分
2部、作曲5曲30分


ぼくの音楽は即興と曲の2本立てだと思っている。そして、その両者を織り交ぜることが多いが、その場合、即興がピース的に捉えられる危険性を感じていた。また、即興に十分な時間をさけない不満、即興にもっとどっぷり浸かりたい願望が出てきて、最近は状況が許せば1曲40〜60分の即興ソロをしている。
そういう意味でも今回の構成は良かったと思う。お客さんの好みも両方に分かれておもしろかった。


2部 曲解説
1.houri (ソプラニーノ)
この名前(ぼくにとって聖地のひとつ)の曲を作りたいと思っていたが、2日前に渋谷アップリンクでボウとしていた時に生まれた。
ゆったりした曲で、その初演(自分にとっても)。どう育っていくのか楽しみ。


2.! (ソプラニーノ)
超音波曲。お客さんが両手で耳を覆っていたことが複数回あり、なかば封印していた
危険で攻撃的で意地悪な曲だが、この日は喜んでいたお客さんが多く、変な人たちだと思った。


3.チクシ (ソプラニーノ)
お馴染みのちょっと日本的な曲。筑紫の君の古墳の上で生まれた。


4.hi, (アルト)
更にお馴染みの曲。3年ほど前、お客さんに挑戦する気持ちで始めたが、国内外で意外な人気で、次第に自分も気持ちよくなってきた。高音がキーンと鳴るだけの曲。


5.salmo (ソプラニーノ)
SALMO SAX のテーマ曲。 4年前、楽器の練習をしようとして、指が勝手に動いていたのを曲として押し通してきた。




SALMO RISE vol.1 はおかげさまで成功!
今後の展望として、ゲストミュージシャンや色々な人たちを巻き込んでいくようだ。(第2回は08年1月中旬予定)
会場にはよく見かける人たちはもちろん、初めて見るお客さんたち(若い人も)が多かった。
ぼくの演奏活動はかれらなしには成り立たないことを改めて言いたい。
かれらと矢野ご夫妻に感謝します。