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音楽家・山内桂 の雑感ページ

 EU ’17-最終章 アイルランド

10/18. ボルドーから飛行機でツアーの大詰め、アイルランドのダブリンへ。
ヨーロッパ人でさえアイルランドでの演奏は珍しく、情報も少なく、ぼくも最初は演奏するためにずいぶん難儀した。その前回も世話してくれたファーガス宅泊。かれは日本好きのミュージシャンで、今年大阪辺をうろついていたようだ。
日中は1人でうろうろして夜は彼と語らい、お茶漬けを教えてあげた。


10/20. “A4 SOUND” というアートギャラリーの会場へ。3、4階建てのビルに、作業場や会議室も完備し、レジデンスなどもしているしっかりしたアート団体だ。人々も感じがいい。
最初にいよいよヨーロッパ初になるフウアの上映。次に短めにソロ演奏。
最後に、ファーガスのクラリネットやキーボードと、ロンのベース、ジェイミーのドラムによるトリオ、"NO!" と共演。3年前の時は途中から参加したのだけど、今回は最初から全部だという。かなり繊細でレベルが上がっている。
お客さんも結構いて、どのセットも拍手が鳴り止まない程に盛り上がった。



翌21日、いよいよツアー最終日。ファーガスが NO! とのダブルヘッダーを組んでくれた(2日間で3公演!)。
嵐の近づく中、たおやかに続く丘陵を車で2、3時間の、これぞアイリッシュと叫びたくなる村の商店街、と言っても日本同様に閉じた店が続くのだけど、Fennelly's of Callan という村おこし的なレストランに到着。
各国の若者たちがボランティアで働いている。お客さんたちも映画に出てくる過去の人たちのように見えるのだが、考えるとかれらも古き良き時代を味わいに来ているのだろう。できたて手作りのパイやケーキやピザや飲み物を堪能し幸せだった。
さて、真昼間で場違いな感じだけど、まず離れの小屋でハルリ上映。続いて小さな食堂でサックスソロ。そして中庭の納屋の半屋外状態で雨風に日差しの混じる中 NO! と熱く共演。だけど身体はすっかり冷えてしまった。


その後更に1、2時間移動して Waterford 市の Rogue ギャラリーへ。
ところがプロジェクターの不具合に手こずった挙句上映は断念し、夜10時過ぎての演奏会になった。
ソロと NO!との共演のパターン。みんな疲れ気味だったかな。寒くハードな1日だった。とはいえ、彼らNO!の好意はありがたかった。



深夜ホテルへ。翌朝8時半には出発、車でダブリン空港へ2時間。嵐は過ぎ去っていた。
ロンドン経由で帰国。日本も台風だったようで、着陸の2時間程前まで成田空港も難しかったようだ。台風でダイヤ混乱の続く羽田空港から福岡空港、電車で大分に深夜着
こうして1ヶ月間、6カ国13都市13コンサートのEUツアーは終了した。