salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 出 雲

生まれて初めて出雲大社に詣でて来た。
往きに10時間。2泊3日で下道のみ1137kmの走行だった。
日本海に沿ってのドライブは快適で、テトラポットがまだまだ少ない海岸線も素敵だった。
出雲市松江市も意外と大きな街で、斐伊川宍道湖の豊富な水に潤う松江市はなかなかに魅力のある街だった。ただ人が少なく繁華街も見当たらなくて、ちょっと寂しい感じもした。むしろ出雲市の方がまとまった街並のように思えた。
でも、人が多いことで失うなにかがあることも今回の旅で改めて思った。

いい機会なのでいくつか神社を巡ったりした。温泉もポツポツあるし、島根が気に入った。
最近、新潟、金沢、丹後に縁ができて何度か足を運んでいるが、日本海に面したいわゆる裏日本の魅力を楽しんでいる。
九州や瀬戸内、また太平洋側の、なんとなしに明るい空気感と違って、日本海側は湿気を帯びて暗いというか重い空気感が漂う。それは歴史のなせるわざなのか、はたまた先入観なのか。神社仏閣の様式や種類、神様も違うようだし、同じようであっても、表向きお祀りする神様とは違う顔を隠していたり、、?
神在月のある出雲はどんな秘密を隠しているのだろう。
今回は出雲大社の60年ぶりの遷宮に合わせて行って来たのだが、そこは大国主命須佐之男命のお膝元である。日本の表舞台でなく、あえて言えば裏舞台のこの地に多くの真実が隠されているのかもしれない。それにそもそも二柱とも裏の世界を司る神様である。
ここでは須佐之男命をメインにお祀りする神社が多いが、九州ではあまり見ないし、そこにこの地の特異性を垣間みることができる。
面白いのは天照大神をお祀りするお社がセットになっている点だ。でも道を挟んで向かい合わせだったり、斜め隣だったり下だったり、とにかく並んではいなかったし、どうかすると小さかったりした。これはなにかを示唆しているのか。
そもそも姉弟の関係だし、大国主命も大いに関係のある間柄であるのだし、これから仲良くなる時代が来ればいいなどと、本当に罰当たりで大僭越なことを呟いてきた。


島根はおもしろい。まったく日本はおもしろい。


と言いながら、このあともうまもなくヨーロッパに向けて出発する。