salmosax note

音楽家・山内桂 の雑感ページ

 読書とサルモサックス

西日本ダブルツアー with Frisk Frugt & Bertrand Gauguet を終えて今年の演奏は終わり、落ち着きを取り戻している。というか、ヒマである。といっても何もしていない訳ではない、、。


ぼくは読書家であったためしはないけれど、いつもカバンの中になにがしかの本をしのばせている。時には1冊読むのに2ヶ月かかったり挫折することもあるが、それは小説ものではないからでもある。いつもなにか知りたい、探りたい、という探究心希求欲があるためで、それだけに内容が難解で困ることもある。


最近、特にこの数ヶ月の読書量が増加中で、12月に入ってすでに3冊読み終えた。
この脱サラ後の8年間を通して色々と感じ、経験してきて、過去の出来事と今がつながってきたり、脱サラの意味も分かってきた気がする。それらを更に押し進めるために、もっと知りたいことがある。
でも脳というものは免疫がないので、あらゆる情報はほとんどフリーパスでインプットされることを知っている。だから今は興味好奇心に任せて様々な角度から書かれている本を多く読んで、その後にどう「腑に落ちる」かを楽しみにしている。


それにしてもこの世にはなんと膨大な秘密があるものか。こんなにも古代から操作された情報だらけの中で持つ自分の意見とは、、、。



自分の感性と直感を頼りに「サルモサックス」を展開してきたが、そのことに間違いはなかった。
だけど多くのミュージシャンとちょっとだけ違う音楽観、自分に問いかけられている違和感、を8年間感じてきた。


そのひとつは「引き出し」をなくしたことから来る。フレーズや技や自分にすら頼らない演奏。フレーズの数や変化や形ではなく自分の中に向かい、そうして聴衆や自然や宇宙とつながることでやって来る(だろう)「音」を楽しむこのやり方は、大抵の場合他の演奏者の方法論とは違う。
それがひとりよがりでないことを願い、だから更に磨きをかけて、「腑に落ちる」のを楽しみにしている。


時代が動いている今、自分がすることは変わらない。「できることすべきことを淡々と」、と言ってきたが、しかも楽しくやっていきたい。